礼拝
友納靖史
常盤台バプテスト教会 2023.5.7 主日礼拝 実を結ぶ人生①「唯一の『福音』」友納靖史牧師【ガラテヤの信徒への手紙 1章1~10節】(新共同訳 新約P.342)
- 音声メッセージ
礼拝終了後掲載いたします。通信料が心配な方はこちらからご視聴ください。- 礼拝プログラム
- 前奏
招詞 ガラテヤの信徒への手紙 5章13節 司式者
祈祷 司式者
賛美 新生21番「栄光と賛美を」1.2節
献金感謝 司式者
聖書 ガラテヤの信徒への手紙 1章1~10節
主の晩餐式賛美歌 「ひとつの聖霊」
宣教 実を結ぶ人生①「唯一の『福音』」友納靖史牧師
祈祷
賛美 聖公会賛美歌282番「罪に苦しむ」1.3節
頌栄 新生672番「ものみなたたえよ(B)」
祝祷
後奏 - 宣教概要
- 今日から十二回、ガラテヤ書講解を通し、キリストを信じる者が「キリストの枝」として豊かな「霊の実(ガラ5:22-23)」を結ぶ喜びと秘訣を分かち合います。この書は使徒パウロが執筆した中でローマの信徒への手紙と並び、人類史上最も影響を与えた書簡とされます。初代教会時代、ユダヤ教の律法に従うことがキリストを信じること以外に求められ、パウロはその異なる福音(律法中心主義)と戦いました。時を経て16世紀、中世ヨーロッパのカトリック教会による霊的暗黒時代を過ごした修道士マルチン・ルターは、「人が義とされるのは自らの行いが半分、神の恵みが半分」と、これも本来の福音と異なる信仰認識の中で生きていました。ところがこの書を通読し、聖霊なる神の導きにより、「真に救われ、正しい信仰が得られるのは、人間による律法の行いや功績によるのではなく、『ただキリストを信じる“信仰によってのみ”』である」と、福音の真理に目覚めたのです。全世界の諸教会は今もこの唯一の福音の原点に立ち帰り、改革され続けています。残念ながら「歴史は繰り返す」と言われ、初代教会、中世の教会、そしてプロテスタント諸教派が生まれ、更なる宗教改革をしたバプテストでさえ、その歩みの中で形成された律法主義的思考・行動が生じるのが常です。新型コロナ危機により、これまでの諸活動が一旦中止され、立ち止まされた私たちの教会。「奴隷の軛に二度とつながれてはなりません(ガラ5:1)」との呼びかけに応答し、真の福音に基づく自由を保ち続ける教会として、主イエスにある福音(御言葉)にのみ聴き従って参りましょう。
パウロはこの手紙の冒頭で、自らが使徒とされ、キリスト者として生きる原点をこう宣言しました。「人々からでもなく、人を通してでもなく、イエス・キリストと、キリストを死者の中から復活させた父である神による(1:1)」。つまりパウロは「私がここに生かされ、福音宣教の働きを担っているのは、神の導き、ご計画である」との確信と喜びに溢れています。ローマ書においてパウロは、同じ信仰義認のテーマを、冷静沈着に人々の理性と霊性に呼びかけています。ところが、この書では彼はやや感情的、厳しい口調で「あなたがたが受けたものに反する福音を告げ知らせる者がいれば、呪われよ(1:9)」とまで書きました。これは、ユダヤ人キリスト者(生まれながらのユダヤ教徒からクリスチャンになった人)が、異邦人より救われた人々に対してキリストによって示された本来の福音とは異なる事柄を要求することに、「否」「違う!」と方向転換(悔い改め)を迫り、本来の教会へ戻るための叫びです。「キリスト・救い主して、イエスのみが父なる神の御心に従い、この悪の世からわたしたちを救い出すため、御自身をわたしたちの罪のために献げてくださった」。他にそのような人はおられない。イエスの福音こそ私たちに真の自由と信仰を与えられるとの思いを祈りにこめて書き送ったのです。私たちの教会も今、かつて忙しかった諸活動を見直し、礼拝を守り、キリスト(福音)を知り、与えられた賜物を奉げる、シンプルな神と隣人との交わり(コイノニア)を聖書的に実践する教会改革の途上にあります。
一度しかないそれぞれの人生、そして地上での信仰生活で目指すべき方向(約束の地)は、異なった信仰(律法主義)や強制され喜びのない歩みではなく、神とキリストにある驚く恵みと愛に感謝し、自らの自由意思と決断から行動し仕える喜びに生きる歩みです。この教会が、唯一の福音を知った喜びを失うことなく、それぞれのキリスト者がキリストの枝(体)として霊の実を豊かに結び、その実を周りの方々と分かち合う喜びに満たされた旅路を続けさせてください。